個人向けには3つのタイプがある

中小企業などの倒産処理手続きとして利用しやすい制度を提供しようと制定された民事再生法ですが、前述した通常の民事再生手続きは会社も個人も対象とする一般的な制度であるために、手続き面で複雑な部分もあります。
そのため、住宅ローンを抱えた個人債務者の実情をふまえて、より簡単で利用しやすい制度が設けられました。
これが個人民事再生手続きです。
個人向けの民事再生手続きには、①小規模個人再生、②給与所得者等再生、③住宅資金貸付債権に関する特則、という3つの制度があります。
小規模個人再生は個人で商売をしている場合のように、継続した収入のある債務者を対象としています。
また、給与所得者等再生は、会社員のようにあまり変動のない定期的な収入のある債務者を対象としています。
さらに、住宅資金貸付債権(住宅ローン)に関する特則は、住宅ローンを抱えた債務者が返済に窮するようになった場合でも、返済スケジュールを組み直してローンの支払いを継続すれば、一度手に入れた住宅を失わずに再生できるという制度です。
特定調停や任意整理は、債権者の同意がなければ成立しませんが、個人民事再生の場合は、裁判所の認可決定を受けた再生計画は、反対をしている債権者に対しても効力を及ぼします。
また、破産とはちがい、自宅などの財産を処分されることなく借金の整理をすることができます。

債務整理に悩んだら|債務整理ドットコム

債務整理にも、自己破産や個人再生など、いくつかの債務整理方法があるため、素人ではどれがベストが分かりません。
そんな時には、債務整理ドットコム(http://hensai-soudan.jp/)。
債務整理の経験豊富な弁護士・司法書士を紹介しているので、間違いのない借金問題の解決が出来ます。
借金に関する法律相談なら24時間365日受付中です。

個人が利用しやすいように工夫された制度

通常の民事再生にくらべ、個人民事再生は手続きが簡略化されています。
そのため、個人民事再生を利用する個人債務者は、手続きの複雑さに煩わされることなく、再生手続きを進めることができます。
とくに個人民事再生は、通常の民事再生のように債権者集会を開く必要がないため、債務者にとっては心理的にラクな手続きといえます。
また、個人民事再生の場合、債務者が行なう手続きに異議がない債権者は、とくに意思表示をする必要はありません。
債権者が納得するような再生計画を示すことができれば、債権者が関わる部分がほとんどないため、短い期間で手続きを終えることができます。
個人民事再生は費用も安くなっています。
通常の民事再生手続きの場合には、申立時に裁判所に納める予納金が50万円程度はかかります。
しかし、再建を図ろうと考えている個人債務者がこの額をそうそう支払えるものではありません。
個人民事再生では、こうした費用面でも個人が利用しやすいように低く抑えられています。
実際に必要となる費用については、各裁判所によって異なるため、管轄の裁判所に問い合わせる必要がありますが、通常の民事再生手続きの1割以下の費用ですむ場合がほとんどです。
個人民事再生手続きの予納金が低額になっているのは、通常の民事再生手続きで定める監督委員をつけないなど手続きを簡略化することで費用を抑えているからです。
ただし、申立てを弁護士などの代理人に依頼する場合には、その費用がかかります。
また、自分自身で申し立てる場合にも、裁判所によっては再生委員を選任するところもあります。
再生委員とは、再生手続きにおいて裁判所の補助をする機関です。
再生委員は、債務者の財産や収入の状況の調査、債務者が再生計画案を作成するために必要な勧告をするなどの職務を行ないます。
通常の民事再生では、手続きを厳格にするため債権者集会や財産管理をする監督委員などが選任されましたが、個人民事再生は簡易な手続きであるため、債権者集会や監督委員のような制度を設けることは、手続きが複雑になり好ましくありません。
そのため、債権者集会や監督委員の代わりに、再生委員(弁護士など)を選任することで、最低限の監督業務ができるようにしました。
再生委員が選任された場合には、再生委員の報酬分について15万円程度の費用を予納することになりますので、事前に確認するようにしましょう。
このように、個人民事再生は、個人債務者が利用しやすいようになっていますが、個人であれば誰でも利用できるわけではありません。
手続きを利用するための要件は、前述した個人民事再生の3つの手続きでそれぞれ異なります。
たとえば小規模個人再生の場合は、債務の総額が5000万円を超えないことなど、利用するにはある程度の要件を満たす必要があります。

個人民事再生のメリット

個人民事再生

●手続きが単純
●手続きに異議がなければ、債権者の意思表示は不要
●手数料が安い。2万円程度ですむ

通常の民事再生

●手続きが複雑
●債権者が債権者集会に出席し、賛成の決議をしなければ、再生計画案が可決しない
●手数料が高い。個人の場合、50万円ほどかかる

3つのタイプの個人向け民事再生手続き

小規模個人再生

個人で商売をしているような自営業者のように反復・継続した収入のある債務者を対象としている。
債務総額が住宅ローンを除いて5,000万円を超えないことが必要。

給与所得者等再生

会社員のように給与等に大きな変動がなく、定期的な収入が見込める債務者を対象とした手続き。

住宅資金貸付債権(住宅ローン)に関する特則

住宅ローンを抱えた債務者がローンの支払いを継続できるように返済スケジュールを組み直すことで、一度手に入れた自宅を失わずに再生できるという制度

このページの先頭へ